後継ぎ育成アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
今週は、事業承継のセミナーを3回やりました。
事業承継に関する税制は関心が高いんですよね。
1・2回は同じ会社で、午前と午後で受講いただく従業員の方が入れ替わる形式でした。
テーマは、
①事業承継で気をつけるべき決算書の見方
②事業承継で気をつけるべき法務
③事業承継で気をつけるべき税務
という内容でした。
私自身が元銀行員として関わった事業承継の事例を交えながらお話させていただきました。
普段から中小企業の経営者と接している従業員さんだけでなく、事務の女性従業員さんも受講していただきました。
事業承継というもの自体に馴染みがある方だけではなかったので、事例の内容を変えて、少しでもイメージをもっていただけるように工夫しました。
3回目は、事業承継のなかでも最近増えているM&Aに関するセミナーを行いました。
テーマは、事業承継で使える施策と、M&Aの譲渡価格の決定方法についてといった感じでした。
受講いただいた方はほとんどが普段から中小企業を支援している方々だったので、僕が実際に関わったM&Aの裏話をより細かなところまでお話しました。
普段、中小企業の支援をされている皆さんでも、事業承継やM&Aを実際に手掛けた方ってそんなに多くは無いんですよね。
別に事業承継やM&Aに限りませんが、「なぜ、事業承継をしたいのか」「なぜ、M&Aをしたいのか」ここが明確になっていない場合、かなりの確率でうまくいきません。
事業承継も、M&Aも時間がかかります。
数年単位の時間がかかる事例がほとんどです。
事業承継とM&Aの違いは何だと思いますか?
M&Aは売る側の場合、如何に高く売ることができるかが大切になります。
一方、事業承継(M&Aの買い側はこちらの立場に近いです)は、引き継いだ後からが勝負ということです。
M&Aは手数料が魅力ということで、多くの支援者がいます。
一方、事業承継、特に後継ぎの育成はまだまだ支援が足りないように感じています。
後継者向けのセミナーや研修はいろいろとありますが、学んだことを自社のビジネスで使えるようになるまでは面倒を見てくれないのが実態ではないでしょうか。
事業承継を成功させるには、経営者が後継ぎを教育できるかどうかだと思っています。
老舗といわれる企業の多くは、【家訓】として代々の経営者が大切にすべき事柄を後継ぎが生まれてからずっと教えています。
自然に教えこんでいるといった方がいいかもしれません。
でも、多くの企業は、経営者と後継ぎが十分なコミュニケーションを取れていません。
銀行員時代から経営者と後継ぎのコミュニケーションを橋渡しする第三者が必要なのではないかと思っていたこともあり、独立後は後継ぎ育成を大きなテーマに掲げています。
先日のセミナーでもお話したんですが、毎年4万社近くの企業が解散・廃業しています。
この数字は、日本の企業数の約1%にあたります。
たった1%と仰るかもしれませんが、ここ何年も続いているんです。
このままでは、地元で働く場所が無くなったり、雇用が減ることを意味しています。そのためにも、未来の経営者になる後継ぎをしっかりサポートしていこうと、決意を新たにしました。
コメント
COMMENT