『事業承継に失敗しないポイント』その7(No124)

後継ぎ育成アドバイザーで、ジリリータジャパン代表の鹿島です。

先週は、3回セミナーや研修に登壇しましたよ。

お話したテーマは、事業承継(M&Aを含む)と、副業で始める起業でした。

受講生の方が熱心に聴いてくださっていたので、お話しているこちらのテンションがどんどん上ってくるのを感じました。

さて、事業承継に失敗しない7つ目のポイントは、『従業員の声を聴く』です。

経営者として、また後継者としても、従業員の声に耳を傾けることの重要性は計り知れません。

従業員は顧客に最も近い位置にいるため、顧客のニーズや市場の動向を理解する上で貴重な情報源となります。

VUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity:変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代において、事業環境は常に変化し、価値観の多様化と顧客の要求の速やかな変化に迅速に対応することが求められます。

従業員の声に耳を傾け、その意見や提案を事業戦略に取り入れることで、次のようなメリットがあります:

  1. 市場の変化への迅速な対応:従業員からのフィードバックを通じて、市場の変化や顧客の要求の変動を早期に察知し、それに応じた戦略を立てることが可能になります。
  2. イノベーションの促進:多様な背景を持つ従業員からのアイデアは、新たなサービスや製品の開発、業務プロセスの改善につながり、イノベーションを促進します。
  3. 従業員のモチベーション向上:従業員の意見が尊重され、ビジネスの成長に貢献していると感じることで、仕事に対する満足感やモチベーションが向上します。
  4. 組織の一体感の強化:経営層が従業員の声に耳を傾け、一緒に企業を良くしていこうとする姿勢を見せることで、組織全体の一体感が強化されます。

ここで大切なことは、従業員の意見を何でもかんでも採用しましょうと、言っている訳ではありません。

経営者と後継ぎは、会社全体のことを大局的に考えて、判断する必要があります。

従業員から上がってきたアイデアや意見の中には、賛成できないものや、的外れなものが含まれていると思います。

その時に気を付けて欲しいことは、意見の異なる従業員のアイデアや意見を一旦【受け止める】ことです。

【受け入れる】【受け止める】は似て非なるものです。

【受け入れる】とは、文字通り、異なるアイデアや意見を採用するということです。

一方、【受け止める】とは、異なるアイデアや意見を否定しないということです。

従業員にとって勇気を出してアイデアや意見を出したのに否定されることが続くと、二度と言わなくなります。

会社に自分の居場所がなくなっていくとさえ感じるのです。

せっかく採用して育てたのに退職する。

これって最悪ですよね。

事業承継においては、このような従業員とのコミュニケーションを重視する姿勢が、スムーズな承継とその後の事業の持続的な成長に不可欠です。

後継者は、従業員から信頼され、尊敬されるリーダーであるために、従業員の声を真摯に聞き、それを事業運営に反映させる能力が求められます。

従業員と共に会社を成長させることは、単に事業を引き継ぐこと以上の価値を生み出し、企業文化の継承と発展にもつながります。

 

お楽しみいただけましたか。

それでは、次回の発信もお楽しみください。

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承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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