承継対話支援士で、関西で事業承継、後継ぎ育成を支援している鹿島です。
この週末は、『問いかける』をテーマにした研修に参加しました。
問活®️(といかつ)という問いを使ってコミュニケーションを改善する活動を始めて3年になります。
事業承継と『問う』って、とても相性がいいんです。
なぜって、事業承継は事業者事にすべて違います。
経営者と後継者の悩みやお困りごとは1社ごとにまったく別なんです。
一見すると同じように思えても、話を聴いていくと別物だということが分かるんです。
違うということがわかっているからこそ、『問いかける』チカラがいるのだと思います。
さて、『問い』がもつチカラって何だと思いますか?
いろいろな答えがあると思いますが、一つの答えは【促す】ことができるチカラではないでしょうか。
もう少し噛み砕くと、【促す】ということは2つに分類できます。
一つは、「考える」ことができるということです。
人は『問いかけられる』と「考える」のです。
「考える」ことは3つの効果を生み出します。
①思考が整理できる
②新しい発想が生まれる
③新しい視点が生まれる、です。
「考える」ことは、「気づき」を与えます。
「気づき」により人は「行動する」できるのです。
もう一つは、「引き出す」ことができるということです。
『問いかける』ことは、問われることで相手の「気づき」や「行動する」チカラを「引き出す」ことができます。
僕の周囲の多くの上司の方は、「部下の考えていることがわからない」と嘆いています。
大きな誤解は、「上司自身は部下よりも優秀であり、部下は上司より能力的に劣っているのだから、部下のことは何でも分かる」という思い込みではないでしょうか?
上司と部下には経験値の違いはありますが、今、ぼくたちが生きている時代はVUCA時代といわれる価値観が多様化していく世界です。
経験豊富な経営者や上司も正解がわからない時代と言い換えてもよいと思います。
残念ながら数十年はこの流れは止まらないと思います。
経営者の役割は、20年・30年先を見据えた企業の存在価値(パーパスといったり、経営理念、ビジョンなどいろいろな言い方があると思います)、つまり、この会社は「何をするために存在するのか」や「事業を通じて、社会にどのように役立つのか」という大きな目標、すぐには到達できそうもないが、目指すべき理想を打ち出すことです。
管理職の役割は、経営者の掲げる理想が目指す方向と、従業員個々人が目指す方向をすり合わせていくことです。
従業員個々人が実現したい方向性と、会社の目指す方向性が同じ方向なら、従業員が辞めるリスクは限りなくゼロにできます。
なぜなら、その会社で仕事をすることが、個人のやりたいことだからです。
部下と接する機会が多い上司は、会社の目指す姿を自分の言葉で部下に伝える通訳者としても役割が求められます。
そして、部下の一人ひとりの考え方や価値観を理解していく必要があります。
もっとも大変だけど、大切な役割が期待されています。
上司にはこうした覚悟をもって部下に「問いかける」覚悟が必要です。
真剣に部下を「受け止める」覚悟と言い換えてもよいと思います。
部下の方は、逆にきちんと「答える覚悟」が必要だとも言えます。
世の中に部下の個々人に、やり甲斐のある仕事を与えてくれる会社など無いことを伝える必要があります。
個人のやり甲斐(やりたいこと)と同じ方向を目指す会社で、自らやり甲斐がある仕事を獲得していく努力が必要だと伝えなければならないと思います。
そのために上司の人間性を部下に知ってもらい、併せて、部下の人間性を知る。その手助けになるのが「問いかける」ということなんですね。改めて、「問い」の重要性を感じた2日間でした。
8月6日に経営者と事業承継の話ができずに悩んでいるという士業・金融・不動産・コンサルタント等の方向けにウェビナーを開催します。
事業承継について経営者と話せるようになると、どんないいことがあるのかをお伝えするウェビナーです。
13時からで、無料です。
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次回は8/27 13:00~の予定です。
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