プロジェクトエングローブ:2022年度 発表会、無事終了

SDGsやCSV経営に関心がある関西の経営者にお読みいただきたいブログです。

こんにちは、志経営アドバイザーで、ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。

神戸市主催のイノベーション創出プログラム「プロジェクト・エングローブ」のメインイベントである東京発表会がさる1月21日(土)に大手町の3×3 Lab Future で開催されました。

今回は、2期生として神戸市内の5つの企業が登壇しました。

カネテツデリカフーズ株式会社
テーマ:サステナブルな海の資源を活用。未利用魚のない世界 ~ブルーエコノミーの創出〜。

株式会社御湯所
テーマ:”Fostering Timelessness” 時を超える「らしさ」を作る、あらゆる地域がどれもユニークで魅力的な未来。

株式会社垂水重機
テーマ:今を生きる土台をつくり、ひとりひとりが誇りを持って生きていける未来。

みなと観光バス株式会社
テーマ:郊外をハブにわくわくを循環。各地域が持つ「リアルな面白さ」が行き交い、有機的な繋がりが生まれていく未来。

合同会社リタリンク
テーマ:Bounce Foward「発展的復活」。人と自然が共生し文化が受け継がれる地域が増え繋がる未来。

わたしは、株式会社垂水重機チームのクリエイティブパートナーの一員として参加していました。

2022年8月から約7ヶ月かけてイノベーションとESG推進を実現する新規事業のアイデアを考えてきました。

建設業界全体が抱える人手不足という問題と、工事現場の作業員が抱える葛藤を克服するための新規事業を生み出したいということがチームの総意となりました。

皆さん、ちょっと思い返してください。

例えば、家の近所で道路工事が始まり、歩道が狭くなっていたり、騒音がうるさいなぁと感じたことはありませんか?

私はしょっちゅうあります。

自宅が国道に面しているので、道路工事や、電線やガス管の工事は頻繁にあります。

しかも、夜中に。

国道は交通量が多いので、交通量が少なくなる夜中に工事が行われるんです。

平日の夜中に工事が行われることが多いので、寝不足になる経験を何度もしています。

しかし、今回の垂水重機さんのプロジェクトを通じて、夜中に工事をしている現場の作業員さんに文句を言う前に「ありがとう」や「ごくろうさま」と言えるようになりたいと思いました。

今回、垂水重機チームで考えたイノベーション事業案は、以下のようなイメージでした。

地域の工事は地域の住民が主体となって決め、住民も参加する形で進めるという【市民普請活動】を広めるということです。

地域の事業に合わせた工事を住民と建設業者が一緒に進めるということです。

例えば、横断歩道の舗装が薄くなり、白い部分が見えなくなったと思ってください。

そんな際に、近隣の住民やボランティアが中心となり、建設業者も参加し、横断歩道の舗装をきれいにする、というイメージです。

海外(カナダのトロント)の例を紹介します。

毎年、交通事故が一定件数発生していた交通量の多い交差点があったそうです。

交通事故を減らすために地域住民が考えたことは、交差点の真ん中にペンキでお花の絵を書くことでした。

実際に花の絵を書いた後はどうなったかというと、ドライバーが交差点の絵に注目するようになり、交差点の手前で自然と減速し、交通事故が減ったそうです。

このように、住民が街作りに参加する動きのことを【タクティカル・アーバニズム】というそうです。

タクティカル・アーバニズムのタクティカル(Tactical)には「1.戦術」「2.大きな目的に役立つ小さなアクション」の意味があります。

アーバニズム(Urbanism)は日本語に訳すのが難しいのですが、一般に「都市主義」と訳されます。

タクティカル・アーバニズムは、2000年くらいまでアメリカで行われていた大規模開発「ニューアーバニズム」に対抗して名付けられた言葉でした。

タクティカル・アーバニズムは、「まずは市民の手で小さなアクションを起こし、長期的な変化やムーブメントにつなげよう」という、プロジェクトベースの街づくりの考え方なんです。

「ポップアップ・アーバニズム」、「ゲリラ・アーバニズム」とも似ています。

(引用先:公共空間で遊ぼう! タクティカル・アーバニズムの事例から学ぶ、ほしいパブリックスペースのつくり方 | greenz.jp グリーンズ )

2014年に池袋のグリーン通りへオープンカフェを出す期間限定の社会実験や、大阪・中之島にある「北浜テラス」が挙げられます。

北浜テラスは、大川に面したビルの裏側を整備し、桟敷席やテラスを並べました。

実はこのテラスを出している部分は、河川区域と呼ばれる公共の場所でした。本来はそんなふうに店はテラスを使えなかったんです。

このように、タクティカル・アーバニズムは、日本でも少しずつ浸透しています。

公共空間で社会実験をする流れは、横浜日本大通りや御堂筋などで、2000年ごろからスタートしました。

その後、2011年に道路法の改正で、道路空間を使うことができる「道路占用許可の特例」という制度が創設されました。

そして近年、第二次安倍政権による国家戦略特区による道路空間の規制緩和で、さらに広がりを増しました。

道路にしても、河川敷にしても、簡単に利用できる場所ではありません。

そこで、行政との円滑なコミュニケーションが求められるのです。

今後、日本は人口減少と、少子高齢化が同時並行的に進んでいきます。

現在のように、何でもかんでも国や地方公共団体に依存することは不可能になります。

地域のことは、誰よりもよくわかっている地域住民が中心に街の魅力を維持向上する必要性が増してくる思われます。

全国一律の画一的な発展は難しいし、住民も望んでいないように感じます。

垂水重機チームでは、時間はかかるかもしれませんが、先ずは地元の神戸市と相談していこうと考えています。

地域の環境をよりよくするための市民普請運動を盛んにし、主旨に賛同してくれる全国の建設業者を巻き込んだ【ムーブメント】にしたいと考えています。

さて、東京発表の当日ですが、めったに社長はスーツを着ないのに、スーツ姿でプレゼンテーションをするので落ち着かない様子でした。

しかし、プレゼンが始まると、普段の熱い想いを聴衆に向けて語り、多くの共感を得ることができ、成功裏に終わりました。

今回のプレゼンでエングローブの最大のイベントは終わりました。

次は、1年後の東京でのプレゼンで、1年間の進捗を発表することになります。

わたしたちクリエイティブ・パートナーも今後もイノベーティブな新規事業を具体化するお手伝いを続けるつもりです。

まずは、神戸からESGビジネスを推進する中小企業を増やしていきたいと思います。

ジリリータジャパンでは、SDGsやCSV経営を導入したいと検討中の経営者の皆様をお手伝いすることができます。

ジリリータジャパンのホームページより個別相談をお申し込みいただけると、詳しいお話をさせていただきます。

 

承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
MENU
お問合せはこちら

(月 - 金 9:00 - 18:00)カスタマーサポート