外国人雇用労務士(外労士)って、ご存知ですか

SDGsやCSV経営に関心がある関西の経営者にお読みいただきたいブログです。

こんにちは、志経営アドバイザーでジリリータジャパン代表の鹿島清人です。

突然ですが、外国人雇用労務士(以下、外労士と称します)ってご存知ですか?

これは、一般財団法人全国外国人雇用推進機構が実施している、2022年の秋にスタートした新しい資格試験です。

外労士は、外国人を雇用している、もしくは、これから雇用したいと考えている企業に役立つ資格とのことです。

資格の詳細は、【外国人雇用労務士 https://gairoushi.or.jp/ 】のホームページをご参照ください。

わたしがこの資格を知ったきっかけは、国際協力機構(JICA)に勤務している中小企業診断士の仲間から外国人を雇用している、もしくは、雇用しようとしている企業に役立つ資格ができるよと教えてもらったことでした。

外労士は、社労士(社会保険労務士)のような国家資格ではありません。

そこで、昨年の10月に外労士の試験を受けるために指定のテキストを使って勉強しました。

これまで、外国人を雇用する際にどのようなことに注意しなければいけないのかといったことを知りませんでしたので、最初はテキストの内容が頭に入って来ず苦戦しました。

ただ、やっていくうちに徐々に外国人雇用について必要とされる全般的な知識を得ることができました

加えて、外国人材の雇用方法や注意点を知ることもできました

新型コロナウイルス感染症への対応が日本でもいよいよ正常化というか、日常を本格的に取り戻す方向に動き出しつつありますよね。

コロナ前には多くの外国人が日本の企業で働いていましたが、コロナと昨年来の年安が重なり、なかなか以前のように日本に来てくれなくなりました。

わたしは、仕事柄、さまざまな企業経営者の方から人手不足で困っているとのご相談を受けています。

日本は人口減少と少子高齢化が今後数十年は続きます。

事業の規模を維持・継続していくことは、今後、益々難しくなってくると言われています。

機械化の推進と共に、外国人労働者の活用は避けて通れないといえるかもしれません。

外国人材の採用から受け入れ、育成、帰国の際の手続きなどに加えて、人権や日本人と同等の処遇が求められます。

外国人材は日本人よりも安い労働力だと思っているなら、大間違いです。

経営者のみなさんは、会社の魅力を高める、つまり、従業員から選ばれる経営を継続していくことが求められます。

きれい事に聞こえるかもしれませんが、女性・高齢者が働きやすい職場をつくっていくことが、外国人材にも働きやすい職場をつくることにつながります。

外国人材を雇用する際には、在留資格に定められた内容を逸脱したことはできませんし、やらせてはいけません。

在留資格には29種類、就労系在留資格だけでも19種類もあります。

就労系在留資格にはそれぞれの在留資格に対応した許される活動内容があり、その活動の範囲を超えると、資格外活動許可を得ていない限り不法就労となります。

よって、最低でも各在留資格で許される活動内容について理解する必要があります。

在留資格に違反した外国人、つまり、就労させるべきではない外国人を就労させた場合、雇用主は不法就労助長罪に問われます

特定活動や高度専門職1号等の一部の在留資格には、在留カードだけでは許される就労内容が判断できず、パスポートに貼付された「指定書」を確認する必要があるものもあります。

その場合、在留カードには「指定書により指定された就労内容のみ可」またはそれに類似する文言が書かれています。

「留学」という在留資格で入国している留学生をアルバイトとして採用する場合です。

1週28時間内であれば問題ないのですが、アルバイトを留学生がかけ持ちしている場合、注意が必要です。

いくつアルバイトをかけ持ちしてもいいのですが、労働していい時間は1週28時間以内です。

雇用主は知らなかったとか、口頭で確認したというだけでは許されません。

不法就労助長罪に問われかねません。

難しいのは、社内で特定の人物だけが外国人材の雇用について知っているが、その他の従業員に徹底できていない場合、思わぬミスが発生することがあります。

在留資格の期限が切れていたということも、よくある管理ミスです。

管理表等を作成し、少なくとも半年に一度は在留カードやパスポートの原本を確認したという記録を企業側が行っていく必要があります。

後日談ですが、年末近くに試験の結果発表があったのですが、ホームページで結果確認したら「不合格」と表示されていました。

それで、年末の大掃除の際にテキストなども処分してしまいました。

しかし、年明けに全国外国人雇用推進機構からどうみても合格者向けに送付していると思われるメールが届きました。

合格者だけが受講する講習への案内メールでした。

そこで、ひょっとして合格していたのかと思い、ホームページを再度確認したのですが、結果はやはり「不合格」と表示されていました。

けったくそ悪いなぁと思っていたら、数日後に、全国外国人雇用推進機構から「合否判定の表示が誤っていた」とのメールが届きました。

テキストを処分済と伝えると、新しいテキストを無料で送ってくれました。

わたしと同じようなことになった人がどのくらいいるのかはわかりませんが、2023年は波乱の年になりそうな兆候かもしれません。

合格者だけが受講する講習も無事終えたので、これで安心してもいいのかなぁと思っています。

後継ぎ育成アドバイザー 鹿島清人

後継ぎ育成アドバイザー 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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