SDGsやCSV経営の導入に関心のある関西の経営者に読んでいただきたいブログです。
こんにちは、志経営アドバイザーでジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
8月から「プロジェクト・エングローブ」というものに参加しています。
「プロジェクト・エングローブ」とは、神戸市内の中小企業が中心となって、持続可能なビジネスにチャレンジする神戸市主催のイノベーション創出プログラムです。
このプロジェクトは、2021年に始まり、企画・運営は株式会社リ・パブリックが行っています。
今年度は神戸市内に拠点を置く5社が応募しました。
ほかにも11組のクリエイティブ・パートナーが参加し、応募企業と一緒になって持続可能なビジネスのアイデアを創り出す活動を行っています。
私も中小企業診断士の仲間とともにクリエイティブ・パートナーとして参加しています。
わたしたちは神戸市内に本社を置く建設関連企業のチームに参加しています。
クリエイティブ・パートナーは持続可能なビジネスを神戸で増やそうというプロジェクトの主旨に賛同した人たちで、20代から50代の幅広いバックグラウンドをもった人たちが全国からボランティアで参加しています。
外国人のパートナーも数名参加しているので、日本人だけで話しをするよりも視野が広がるような仕掛けもされています。
20代・30代の若い人たちが多いということも一つの特徴かもしれません。
クリエイティブ・パートナーという太宗な肩書がついていますが、参加企業の方に何かをコンサルティングするといったものではありません。
三人寄れば文殊の知恵といいますが、経営者が1人で考えるよりも、社外の多様なバックグラウンドを持つ人々を加えた形で話しをすることで「掛け算」をするように新しい気づきを得ることができます。
パートナーとして参加している自分も毎回新しい気づきを得ることができます。
この活動は年内いっぱい続きます。
これから2ヶ月程度の期間に具体的なビジネスのアイデアを出し、実現させるためのアクションプランの作成を行います。
簡単ではありませんが、私も持てる力を出し切りたいと思っています。
「プロジェクト・エングローブ」に参加できる企業は神戸市内に拠点がある企業に限定されますが、クリエイティブ・パートナーは意欲があれば参加できるので、来年度の募集が始まったらぜひエントリーされてはいかがでしょうか。
さて、5・6年ほど前からESGという言葉が新聞やニュースなどで頻繁に採り上げられていますが、ESGが何かご存知でしょうか?
ESGとは環境(E)、社会(S)、企業統治(G)を合わせた概念で、2006年に国連が機関投資家に対し、ESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI)を提唱したことをきっかけに広まりました。
経済が発展して いく一方で、気候変動問題などの環境問題、サプライチェーンにおける労働問題などの社会問題、企業の不祥事など企業統治の問題が浮上しました。
このような負の影響は、経済社会の持続可能性を毀損してしまう可能性があります。
ESG投資は、このような認識の下、環境、社会、コーポレート・ガバナンスの視点を投資判断に組み込むことにより、長期的なリスク調整後のリターンを改善することが期待されています。
日本では年金積立管理運用独立行政法人(GPIFと呼ばれています)が2017年度から「ESG指数」に基づいた株式投資を行っています。
ESG指数とは、企業が公開する非財務情報などをもとに、指数会社が企業のESGへの取組みを評価して組み入れ銘柄を決める指数のことです。
GPIFは2021年度末時点で8つのESG指数を選定し、これらのESG指数に連動するパッシブ運用の運用資産額は合計で約12.1兆円となっています。
(出典:https://www.gpif.go.jp/esg-stw/esginvestments/ )
GPIFは我が国の年金の積立金を運用する非常に重要な役割をもつという一面をもつ一方、巨額の運用資金を抱えた世界屈指の機関投資家という一面をもっています。
そのため、GPIFが抱える巨額の資金を運用してほしいと考える金融機関や企業の多くがGPIFが運用しやすくなるよう、ESGに配慮した経営への変革を迫ることになります。
こうした動きはGPIFだけでなく、世界中の機関投資家が同じようにESGに配慮した経営を経営者に求めるようになっています。
ESGを意識した経営は大企業だけが取り組めばよいのかというと、答えはNoです。
大企業の経営者は、自分の会社にある程度ESG経営が根付いたと考えると、次は取引先企業にもESGに配慮した経営を求めるようになります。
新型コロナウイルス感染症の蔓延やロシアのウクライナ侵略といった出来事により正常な企業活動ができなくなりました。
そこで、資材調達から販売もしくは廃棄まで含めたサプライチェーン全体を強化する必要性に迫られています。
企業が正常な経済活動を継続できるかどうかは、企業に投資をしているGPIFのような機関投資家も大いに関心があるところなのです。
SDGsへの取り組みも年々重要視されていることから、1つの企業だけがESGに取り組むだけではSDGsの実現にはほど遠いので、取引先も含めたサプライチェーン全体でESGに取り組むことが求められるのです。
ESGは機関投資家の意向が強くなりすぎており、従業員や取引先、地域住民といった利害関係者(ステークホルダーといいます)の声が軽視されているとも言われています。
企業経営者は、特定の投資家だけに目を奪われるのではなく、持続可能な事業を行うためにどのようなステークホルダーと共存するべきかを考える必要がありますよね。
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