後継ぎ育成アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島です。
大阪城公園の近くに住んでいるので、よく散歩に行きます。
2月になってから公園内の梅園で紅白の梅が咲き始めました。
カメラやスマホを片手に熱心に写真を撮っている人が大勢いましたよ。
さて、僕は仕事柄、中小企業経営者の方とお話をする機会が多いのです。
そして多くの経営者がおっしゃるのは、「会社の会議で意見が出ない」ということです。
最近、心理的安全性という言葉がいろいろなところで聞かれるようになりました。
心理的安全性とは、1999年にエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念です。
Google社が「成功する・生産性の高いチームの条件は何か」を調査した結果、発見した考え方です。
簡単に言うと、社内やチーム内で意見を言ったとしても(それが的外れな意見であっても)他メンバーに否定や非難される不安なく、安心して意見が言える状態を指します。
単に仲良しチームを作るということではありません。
目標達成のためにチームの全員が貢献しているという共通した考え方があるからこそ、自分と違う意見でも受け止めることができるのです。
他人の意見を『受け入れる』と『受け止める』は似ているようですが、かなり違います。
『受け入れる』とは、しぶしぶかどうかは別として、自分と異なる意見に賛同することです。
一方、『受け止める』とは、自分の意見とは違うが、こういう考え方もあるのかと否定や拒絶しない姿勢です。
以前、こんな話がありました。
美容室を経営している経営者で、御本人がブログを使って集客に成功していた経験があるので、スタッフの全員にブログを毎日書くように指導していました。
そのスタッフの中に入社2年目のAさんという20歳の若い美容師がいました。
A子さんは7人いる美容師の中で成績不振で、ブログを書けと言われても書けずに悩んでいました。
経営者からA子さんの話を聞いて、A子さんにブログを書かない理由を聞いてみました。
すると、A子さんが言うには、自分の周りでブログなんて見ている人はほとんどいない。
むしろ(当時徐々に流行りだしていた)Instagramを見ている人が多いので、Instagramを使った方がいいと思っている、とのことでした。
そこで、再度、経営者のところに行きました。
そして、「社長、A子さんを今からここに連れてくるから、彼女の意見を聴いてもらえますか。社長の考えと違ったとしても、絶対に否定したり、怒ったりしないと約束でしますか」と伝え、社長から「わかった。」と返事をもらいました。
その場でA子さんを呼んで、A子さんから先程の考えを伝えました。
集客の手段としてブログが最も大切と考えている経営者にしてみると、流行りだして間がないInstagramで発信するという考えを『受け入れる』ことはできませんでした。
しかし、違うということを前提として『受け止める』ことは何とかできるという状態でした。
その後どうなったかというと、A子さんが始めたInstagramを使った発信が20代の顧客に受け入れられ、お店の売り上げが増えただけでなく、A子さん自身への指名が増え、半年後にはA子さんは第2位の売り上げを達成するようになったとのことです。
ブログに拘っていた経営者も、今ではInstagramでの発信をスタッフに指導しているそうです。
その経営者に後日会ったら、「スタッフの意見を否定せず、受け止めてよかった。今では、スタッフにどんどん意見やアイデアを出して欲しいと言ってます。」とのことでした。
中小企業にありがちなことですが、「従業員は無能である」と勝手な思い込みをしていませんか?
会議などで意見が出ない理由は3つに集約されます。
- 従業員から意見を聞かない
- 従業員に意見を採用しない
- 意見を出しても否定される
心当たりがある経営者や管理職の方は、明日から部下の話を『受け止める』ということを意識されてはいかがでしょうか。
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