『事業承継に失敗しないポイント』その16(No137)

事業承継の支援をしている後継ぎ育成アドバイザーの鹿島です。

事業承継に失敗しないポイントその16は、「私財を提供する覚悟はありますか」です。

事業承継を進める際にネック(障害)になるものの一つに金融機関から融資を受ける際に代表者が保証人になることが挙げられます。

国は経営者に過度な負担となってはいけないと数年前から一定の条件を満たしている経営者は、借入する際に連帯保証人にならなくてもよいという指針を出しています。

ただ、財務内容が脆弱な中小零細企業の場合、経営者個人が連帯保証人になって、何とか借り入れをしているのも実態です。

事業承継するということは、 後継ぎが親もしくは先代の作った借金の保証人になるということでもあります。

こうした子や後継ぎの負担を心配し、事業承継に踏み切れない中小零細企業はとても多いというのが、僕の肌感覚です。

親世代が作った借金を子の世代に 負担させることに引け目を感じている経営者は多いです。

精神論的なものですが、経営者は会社の業績が悪くなった時に、 私財を投入する意気込みは必要だと思います。

少なくとも創業者は、それなりのリスクをとって事業を始めています。

そのリスクを取ってきた創業者でさえ、なぜか、自分の後継ぎにはリスクを取らせないように行動することが多いように感じます。

奈良や京都には100年以上の業歴をもつ老舗と呼ばれる企業がたくさんあります。

以前、300年近く続く伝統工芸の企業経営者の方にお話を伺ったことがあります。

老舗と言われる企業の多くは、事業内容は創業当時からかなり変わっていることが多いです。

創業以来、同じ事業を続けている企業のほうが少ないように感じます。

老舗企業といえども企業です。

業績の変動はあります。一人の社長の在任期間は20年程度です。

その間に業績がいい時期が続くことは稀です。

逆に、経営危機に見舞われることの方が多いかもしれません。

奈良県では、「会社に利益を残すよりも、個人で蓄財し、家業がピンチのときには私財を投げ出せ」と先代経営者から諭されるそうです。

金融機関は会社の財務内容が悪くなると融資をしてくれなくなるので、私財を投じてでも家業を守れということなんですね。

後継ぎに何を残すのか、後継ぎは何を引き継ぐのか、これを経営者と後継ぎが理解できていれば、いいのですが...

本当にやるべきことは、保証人にさせないことではありません。

後継ぎの代になってもきちんと利益を生み出せる事業を引き継ぐことだと思います。

 

お楽しみいただけましたか。

それでは、次回の発信もお楽しみください。

 

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承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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