後継ぎ育成アドバイザーの鹿島清人です。
『事業承継に失敗しないポイント』その11をご紹介します。
それは、『後継ぎを育てるには時間とおカネをかけよう』です。
中小企業白書によると、事業承継を 準備する期間は、承継の種類によって異なる特徴があるそうです。
親族内承継の場合、3年以上かけてじっくりと事業承継することが特徴です。
従業員へ承継や社外への引継ぎ (いわゆるM&Aによる承継)の場合、 1年以内が6割~7割程度と短いそうです。
つまり、親族内承継は時間をかけて引き継ぐことに特徴があります。
僕が支援してきた親族内事業承継の多くは、3~5年程度の準備をした うえで後継ぎに承継をしていました。
承継後も3~5年程度は先代経営者が 「会長」とか「相談役」といったかたちで新社長をサポートすることが 多かったです。
事業承継は、準備から完了まで10年近くかかる一大イベントといえます。
事業承継は、節税対策だと誤解している経営者は意外と多いです。
事業承継は、役職や株式を後継者にスムーズにバトンタッチするだけではありません。経営理念や組織文化の保存、そして何よりも会社の未来を形作る過程です。
60歳以上の経営者にとって、後継者の育成は、自分たちの生涯の仕事を次世代に託し、その遺産を持続させる重要なステップです。
ここでは、事業承継を成功させるための具体的なステップとアドバイスを提供します。
1. 意識の共有
事業承継の成功は、どのような会社にしたいのかという「ありたい姿」の共有から始まります。
後継者が企業文化、価値観、そして経営理念を深く理解することが不可欠です。
定期的なミーティングを設け、経営哲学や決定プロセスを共有し、オープンなコミュニケーションを促進することが重要です。
ただし、過度に過去に拘りすぎると外部環境の変化に対応できません。
守るべきものと変えるべきものが何なのかということを経営者と後継者の間で一致させることが大切です。
その際に大切なことは、文字だけでなく、イメージする映像まで一致させておくことです。
可能なら従業員も巻き込んで会社の「ありたい姿」を共有できると素敵だと思います。
2. 経験を積ませる
後継者には、実際の業務経験を積ませる必要があります。
異なる部門での勤務経験を通じて、会社の運営を広範囲にわたって理解させることが望ましいです。
重要な意思決定プロセスに後継者を巻き込むことで、将来的に彼らが自信を持って経営できるようになります。
3. メンターシップの強化
個別のメンターシッププログラムを設けることで、後継者の個々の成長を促進します。
経験豊富なメンターからの一対一の指導は、後継者が直面するであろう困難を乗り越えるのに役立ちます。
中小企業の場合、メンターの役になるのは社長の場合が多いかもしれません。
親族内承継の場合、経営者と後継者だけで話をすることが苦手とか、感情的になってしまうということも多いのです。
専門家のような第三者を交えた方が経営者と後継者のコミュニケーションがスムーズに進むケースも多々あります。
僕の経験からは、最初から専門家を交えては事業承継の話を進めていく方が途中から専門家を活用するよりもうまくいくようです。
最初にボタンの掛け違いをすると、軌道修正には時間とおカネがかかります。
4. 継続教育と専門知識の向上
事業環境は常に変化しています。
後継者は、業界の最新動向、技術、そして経営戦略について常に学び続ける必要があります。
継続教育プログラムや業界会議への参加を奨励し、知識の更新とネットワークの構築を促します。
5. 財務計画と法務準備
事業承継は、財務計画と法務準備が整っていることも重要です。
税務効果の最適化、資産の保護、適切な法的文書の準備など、専門家と協力してしっかりと計画を立てましょう。
6. 忍耐と柔軟性
事業承継プロセスは時間がかかるものであり、予期せぬ困難が発生する可能性があります。
経営者には後継者に任せる覚悟が求められるんです。
後継者は、10年から20年近く会社の経営を担いますよね。
後継者の育成には時間とおカネがかかります。
でも、一般的に教育はとてもリターンの高い投資だと言われています。
お楽しみいただけましたか。
それでは、次回の発信もお楽しみください。
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