後継ぎからみる事業承継とは(No87)

こんにちは。志経営アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。

事業承継は、銀行員として10年以上関わってきた大きなテーマです。

1年半前に早期退職し、中小企業診断士の資格を活かして経営コンサルティングを行っています。

事業承継に携わってきた経験のおかげで、今の仕事をいただいています。

銀行員時代には将来、自分が事業承継にこれほど関わることになるとは思ってもいませんでした。

事業承継に関する話は、1,000社以上の経営者と行ってきました。

加えて、500人以上の後継ぎの方とも話をしてきました。

世の中には『事業承継』に関する書籍や、インターネット上の記事が溢れかえっています。

しかし、ほとんどの書籍や記事は、今の経営者の立場や目線から記されたものに思えます。

ある意味、当然かもしれません。

それは、会社のおカネを握っているのは今の経営者ですから、経営者に耳障りなことは言わないですよね。

一般的に『事業承継』に関する問題は、『後継ぎ(後継者)』に関する問題だと考えられています。

特に、創業者が現経営者の場合、後継ぎが頼りなく見える傾向にあるようです。

『ゼロから1』を生み出してきた創業者は、物資両面でハングリーな状態からスタートしています。

家族や社員の生活を豊にしようとがむしゃらに仕事をしてきたからこそ、今の成功があるんですよね。

また、今の経営者の若い頃は、日本全体が物質的に豊かになりたいと思っていましたよね。

でも、今の時代はそのような時代背景とは随分、違いますよね。

後継ぎが育ってきた時代背景を振り返ってみてください。

物心ついた頃には、家にテレビや車があり、幼い頃から海外旅行にも連れて行ってもらっていたかもしれません。

高学歴ということも珍しくないですよね。

今の経営者よりも物資ともに恵まれた時代を過ごし、知的レベルも今の経営者に引けを取りません。

なのに、世の中の多くの後継ぎは、『頼りない』とか、『任せられない』というイメージが付いています。

今の経営者に比べて、「ハングリーさが足りない」「苦労をしらない」「小粒」とか言われることが多いようです。

本当に、後継ぎは、今の経営者よりも能力がないのでしょうか?

わたしの答えは明確に『NO』です

今の経営者と、後継ぎが経営を担っていく経営環境は大きく異なります。

皆さんは、【VUCA(ブーカ)】という言葉を聞いたことはありませんか。

VUCA(ブーカ)とは、

Volatility(変動性)、

Uncertainty(不確実性)、

Complexity(複雑性)、

Ambiguity(曖昧性) という4つのキーワードの頭文字を取った言葉です。

変化が激しく、あらやるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態を指します。

VUCAという言葉は、1990年代後半に軍事用語として使われていました。

それが、2008年のリーマンショック以降、ビジネスの世界でも使われるようになりました。

多くの後継ぎは、幼い頃から将来は家業を継ぐことを漠然と考えています。

家業と継がないと決めている場合、今の経営者である親御さんが一家団欒の際にこんな言葉をよく仰っています。

「しんどいだけで、儲からない」「会社務めの方が安定している」「いい学校を出て、大企業に就職しなさい」と。

幼い頃からこうしたネガティブな言葉を何度も何度も聞かされていると、どうでしょう。

あなたが後継ぎなら、就職活動をする際に家業を継ぐことを考えますか?

きっと考えないとお答えになると思います。

後を継いで欲しいなら、明確に希望を伝えることが大切です。

同居している親子でも後を継いで欲しいと、きちんと伝えているケースは少ないのが実態です。

また、家業の楽しさや、経営するうえで大切にしていること(例:お客様を笑顔にしたい、地域の発展に貢献する)を繰り返し伝えることも大切だと思います。

このように家業を続ける意義を幼い頃から叩き込まれた後継ぎは、一旦は別の会社に就職しても、家業を継いでいることが多いようです。

後継ぎの立場で考えてみると、親子など近い関係にあるほど【言葉で伝える】ことが少ないので、経営者が思っているよりも不安を感じています。

今の経営者ほど強い個性(リーダシップといってもいいかもしれません)がなくても、従業員からは社長の子ども(身内)だから特別扱いされていると思われています。

後継ぎを会社に入れる際には、従業員に認められるまでの期間、あえて役職を与えず、新入社員と同じような仕事から始めさせた方がいいです。

現場の作業やしんどい仕事を従業員と一緒に経験しておけば、経営者になってからも、従業員の気持ちを理解できます。

また、後継ぎの仕事に向かい合う真摯な姿勢は、授業員に、この後継ぎを盛りたてようという思わせる効果があります。

逆に、現場を軽視したり、従業員よりも自分は偉いといった態度で望むと従業員からの信頼は得られません。

後継ぎがうまく先代から経営を譲り受けるには、次のことが大切です。

  1. 先代の経営を否定しない
  2. 先代の経営をそのまま引き継いではいけない(時代に合わせて見直しは必要)
  3. 経営方針を変更する前に、先代の了解を得る
  4. 経営方針を変える場合、小さく、少し時間をかけながら行う
  5. 従業員とよく話をし、味方を増やす

株式会社ジリリータジャパンでは後継ぎ育成会議というマンツーマン形式の後継ぎ育成研修を行っています。

ご興味がある方は、ホームページの『任せられる後継ぎ』を育てます!の箇所から【 後継ぎ育成会議のお問合せ 】をクリックしてください。

後継ぎ育成アドバイザー 鹿島清人

後継ぎ育成アドバイザー 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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