対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
最近、吉川英治さんの新・平家物語という小説を読みました。
時代は、平清盛が平家の時代を築き上げるところから、源氏が鎌倉幕府を樹立していく時代を採り上げています。
この小説を読んで感じたことをブログにしました。
「鎌倉幕府に学ぶ事業承継とは」
源頼朝(みなもとのよりとも)は、日本で初めて「武士の時代」を切り開いたリーダーです。彼が作った鎌倉幕府は、今でいう「まったく新しい会社を立ち上げた」ような出来事でした。
しかしその幕府、たった3代で実質的な力を「北条家」という側近グループに乗っ取られてしまいます。なぜでしょうか?
一番の原因は、「後継者を育てきれなかったこと」。頼朝の息子・頼家、孫の実朝はまだ若く、政治の経験も浅かったのです。そんななか、政治を支えていた北条家が主導権を握り、最終的には幕府の実権そのものが移ってしまいました。
この出来事は、現代の会社でもよくある話に似ています。
たとえば…
カリスマ社長が引退。息子が後継者になるけれど、経験が浅い。
そこで、長年会社を支えてきた「番頭さん(No.2)」やベテラン社員が実質的な権限を握り、社長より目立ってしまう。
やがて後継者との関係が悪くなり、会社はギクシャク…。
このような事態を防ぐには、後継者だけでなく、「番頭」や「経営者の補佐役」も育てることがとても大切です。では、どうすればよいのでしょうか?
■ 番頭・補佐役を育てる3つのヒント
① 「社長と後継者、番頭の三角関係」を整える
経営者と後継者の間に信頼できる補佐役がいると、後継者も安心して成長できます。ポイントは「両方から信頼されていること」。そのために、補佐役には「中立の立場で話ができる力」を育てましょう。
② 「見える化」で役割をはっきりさせる
番頭が経営を実質的に仕切っていると、外から見れば「社長より権力がある」ように見えることも。だからこそ、責任範囲や決裁権などを明文化し、「社長の決断」「番頭の実行」「後継者の育成」をバランスよく進める体制が必要です。
③ 「話せる場」を定期的につくる
日頃の業務に追われると、立場の違う三者が話す機会が減ってしまいます。そこで、月に1回でも「経営方針会議」や「未来を話すミーティング」を開きましょう。ここでは、数字の話より「これからの会社をどうしたいか」を共有するのがコツです。
頼朝の時代、戦の強さだけでは政権は続きませんでした。
現代の会社も同じで、「トップだけが頑張る時代」は終わりつつあります。
次の世代を育てること、そしてその世代を支える“番頭役”を育てること。
この両輪がそろってこそ、会社は長く続いていくのです。
徳川家康が設立した江戸幕府は、人材を育てることに成功した事例と言えるかもしれませんね。カリスマ性が強いトップを引き継ぐには、個のチカラよりも、集団で支えるチカラがより重要になるというこtかもしれませんね。
鎌倉幕府のように、はじまりは立派でも、引き継ぎに失敗すると未来は続きません。
だからこそ今、「後継者」と「補佐役」の育成をセットで始めてみませんか?
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