【”まだ譲れない”と言い続ける社長へ(No178)】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。

事業承継の支援をしていると「いつまでも社長が権限を手放さない」という悩みを聞きます。

今回は、そんなお悩みに関するブログです。

“まだ譲れない”と言い続ける社長へ——譲った人だけが味わえる“成功者の特権”とは?

「まだまだ私がやる」「後継者はまだ経験が足りない」——そう言い続けてきた経営者の皆さん、そろそろ本気で考える時ではありませんか?

事業承継は、単なる権限移譲や株式譲渡ではなく、“新たな成功者”としての道を歩む第一歩です。そして、この道を選んだ人だけが手に入れられる特権があります。

本ブログでは、事業を譲った社長が味わえる“成功者の特権”についてお伝えします。


1. 譲った社長たちは何をしているのか?〜成功者の“第二の人生”

事業を譲った社長たちは、その後どうしているのでしょうか?

「会社を手放したら、何もすることがなくなるのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。しかし、実際に譲った経営者たちは、新たなステージで輝いています。

例えば、次のような道を歩む方が増えています。

  • 社外取締役や顧問(相談役)として、経営にさまざまな助言を与える
  • 講演活動や執筆で、これまでの経験を伝える
  • 投資家として、他の企業の成長をサポートする
  • 地域貢献や後継者育成に取り組む

「もう役に立たない」ではなく、「今だからこそできること」に目を向けてみてはいかがでしょうか。


2. 社長の“名誉”を守りながら譲る方法とは?

経営者にとって、最も大切なのは“誇り”です。

しかし、「株を譲ったら、会社から追い出されるのでは?」という不安があるため、決断を先送りしてしまうケースが後を絶ちません。

そこで、社長の名誉を守りながら譲る方法を考えてみましょう。

✅ ステップ1:「役職」を徐々に変える

  • 代表取締役 → 代表取締役会長 → 会長 → 名誉顧問 というように、段階的に役割を変えていくことで、社内外の関係者にも自然に受け入れられます。

✅ ステップ2:「功績」をしっかり伝える

  • 事業承継のタイミングで「創業○周年記念イベント」や「社史の発行」などを企画し、経営者としての功績を称える場をつくると、社長交代がポジティブなものになります。

✅ ステップ3:「社外の肩書き」を持つ

  • 地域の商工会議所や業界団体の役員、大学の客員教授など、新たな役割を持つことで「辞める」ではなく「新たなフィールドで活躍する」印象を与えられます。

✅ ステップ4:「引退セレモニー」を実施する

  • 社内での感謝の集い:社長の功績を称え、従業員や関係者から感謝の言葉を贈る機会を設ける。取引先や金融機関など社外の関係者を招くと効果的です。

  • 経営者としての卒業式:社内外の関係者を招き、経営を譲ることが会社の新たな成長の一歩であることを宣言する場をつくる。

  • 地元や業界団体での表彰:長年の経営貢献を評価される機会を活用し、社長交代が“名誉ある決断”として周囲に受け入れられるようにする。

こうした準備をすれば、「会社から追い出される」というネガティブな印象ではなく、新たな出発という印象になります。


3. 「会社を譲る=負けではない」〜事業承継に成功した社長が語る本音

事業を譲った後、実際にどう感じているのか?

多くの元社長に話を聞くと、意外にも「もっと早く譲ればよかった」と言う人が少なくありません。

📢 事業を譲った社長の本音

「経営を引退するまでは、常に会社のことが頭から離れなかった。でも、譲ってみたら、驚くほど気持ちが楽になった」

「会社が自分の手を離れたら寂しいと思っていた。でも、後継者が会社を成長させていく姿を見て、“あの決断は正しかった”と実感している」

「承継後は、いろいろな企業のアドバイザーを頼まれるようになり、経営者としての経験を活かしながら、新たな仕事ができるようになった」

このように、事業承継は“終わり”ではなく“新たなステージの始まり”なのです。


4. まとめ:成功者の特権を手に入れるか、会社とともに沈むか

事業承継を考えるとき、多くの経営者が「譲るのが惜しい」「まだまだ自分がやらなければ」と感じます。

しかし、そのままズルズルと続けてしまうと、ある日突然、自分が動けなくなったときに会社が大混乱に陥るリスクがあります。

成功者は、次のような特権を手に入れています。

新たな役割で社会に貢献するチャンス

周囲から尊敬されながら承継を進める方法

後継者の成長を見守り、会社の未来を安心して託せる喜び

引退セレモニーを通じて名誉ある経営の卒業を迎える

「まだ譲れない」と言い続けるか、「成功者の特権」を手に入れるか——決めるのは、あなた次第です。

僕は、いつかは『事業承継がお祭りのようになる』ことを目標にしています。

例えば、前年に事業承継をした経営者と後継者がお神輿などを担いで町内を歩くなどみんなでお祝いするようにしたいと思っています。

そのためには、経営者に事業承継の「声がけ」をする『承継対話支援士®』を増やしていくことにもチカラを入れています。

承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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