2023年版 中小企業白書・小規模企業白書がでましたよ

こんにちは。志経営アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。

ゴールデンウィークも終わり、リフレッシュできたのではないかと思います。

4月28日に2023年度版「中小企業白書」「小規模企業白書」が公表されました。

(引用先: https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230428003/20230428003-1.pdf )

概要は次のとおりです。

Ⅰ.全体

1. 足下の新型コロナや物価高騰、深刻な人手不足など、中小企業・小規模事業者は、引き続き厳しい状況にある。

2. こうしたマクロ経済環境が激変する時代を乗り越えるため、中小企業・小規模事業者が、

価格転嫁に加えて、「国内投資の拡大、イノベーションの加速、賃上げ・所得の向上の

3つの好循環」を実現していくことが重要である。

より具体的には、以下の内容が分析されています。

(1) 賃上げを促進する上では、価格転嫁と生産性向上が重要であること

(2) 物価高等のマクロ経済環境の変化を踏まえ、価格転嫁を取引慣行として定着させることが重要であること

(3) 生産性向上に向けては、GXやDXといった構造変化も新たな挑戦の機会と捉えながら、投資の拡大や

イノベーションの実現が重要であること

本来は、企業の生産性が高まることで収益性が改善する→利益率の向上→賃金の上昇、というサイクルを描きます。

しかし、仕事内容によっては人手不足が慢性的に続いていますよね。

ということは、企業を経営していくためには、賃金の引き上げ→売上の確保→生産性向上というサイクルを描く必要があります。

これは、かなりの経営手腕が必要と思われます。

コロナ前なら、日本人がやりたがらない単純作業や力仕事の一部を外国人労働者にお願いすることができました。

しかし、コロナからの回復が進む中で、世界的に物価上昇が進展しています。

物価が上昇するということは、金利が上がることを意味しています。

ところが日本だけは財務省の強い意向もあり、金利を上げることができていません。

金利が上がると国債の利払い額が増えるので、歳入と歳出との差が広がり、国債の発行額が増えることを財務省が避けているという構図です。

日本の国債の多くは、日本銀行が買っています。

国債の利払いが増えると、日本銀行の利益が増えます。

日本銀行の利益は、最終的に国の収益となって戻ってくるので、利払いが増えても、ほとんどは日銀からの利益で相殺可能なのですが・・・

話を戻すと、諸外国は金利を上げるが日本は金利上げない→円安の進展になります。

円安で輸出が多い大企業は過去最高益を更新した企業も少なくありません。

しかし、外国人労働者の獲得という面では不利に働きます

外国人労働者にとって円安と日本円で受け取った給与を、出身国に送金するする際の為替レートがコロナ前よりも不利になります。

日本以外の国に働きに行く方が現地通貨で考えた実入りはよい、という結論になります。

外国人労働者を採用するには、コロナ前よりも給与を1割から2割程度上げないと、彼らの手取りが減ってしまいます。

代わりに日本人の採用を増やそうとしても、給与や労働条件をかなり改善しないと求人は難しいと考えられます。

だからこそ、2023年度の白書では価格転嫁がキーワードになっているのです。

自社の業務内容を今こそ見直し、本当に自社の従業員がやるべき仕事(儲かる仕事)以外は外部に

アウトソーシングするか、ITで自動化することを経営者に迫っています

Ⅱ.「中小企業白書」

3. 中小企業の成長を通じて日本経済や地域の発展につなげる観点から、中小企業白書では

投資やイノベーション、賃上げの取組が期待される成長企業に焦点を当て、「競合他社が提供できない

価値の創出により、価格決定力を持ち、持続的に利益を生み出す企業へ成長を

遂げることが重要」であることを示しています。

Ⅲ.小規模企業白書

4. また、小規模企業白書では、少子高齢化・人口減少に伴い、地域の社会課題等が顕在化する中でも、

小規模事業者の持続的な成長を促していくことが重要、との観点からソーシャルビジネスを通じた

地域課題解決等を取り上げ、「地域経済を下支えする小規模事業者について、支援組織や

自治体のサポートも得ながら、引き続き、地域の持続的発展を担っていただく

ことが重要」であることを示しています。

ところで、チャットGPTという言葉を聞いたことがありますか?

アメリカの新興企業であるOpenAIという企業が開発したチャットサービスです。

まだ、精度の改善が必要ですが、人間の質問に対して、まるで人間のように自然な文章で回答できます。

中小企業にとっては、書類作成や提携業務をかなりの程度効率化できる可能性があります。

日本企業は欧米各国に比べてAIの導入が遅れていましたが、チャットGPTは中小企業にも相当程度普及する

可能性を秘めており、DX化への起爆剤になるかもしれません。

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