対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
最近、事業承継の相談で伺った会社がありました。
その会社は、現経営者が創業者で、後継者は長男という典型的な親族内承継を予定している企業です。
社長が60代前半で、後継者は30代前半という事業承継を進めるには理想的な年齢です。
実は、その経営者と後継者がとても仲が良い親子だったんです。
その場で事業承継計画書を作ることに合意し、いろいろとお話を伺いました。
後継者がとてもしっかりしていることもあり、経営者が早いうちから後継者に仕事を任せるようにしたそうです。
後継者からは、「90%以上自由に任せてもらえているので、責任も感じますが、やり甲斐の方が大きいです。」という回答でした。
まさに、絵に描いたような理想的な事業承継ができている企業です。
そこで感じたことをブログにしてみました。
事業承継がうまい会社の秘訣
事業承継がうまくいっている会社を訪問すると、形は違っても共通点があります。親子承継であれ、従業員承継であれ、結局のところ勝ち筋は一つです。
経営者が、後継者と「対話ができている(腹を割って話している)」。これだけです。
「うちは息子が継ぐから大丈夫」
「専務がいるから任せればいい」
そう思っている会社ほど、危ない。なぜなら、承継でつまずく会社は例外なく、 “話していない”からです。
税金や株の前に、もっと手前のところで止まっています。
親子承継がうまい会社は、承継の前に“空気”ができている
親子承継がスムーズな会社は、承継の話を「ある日突然」始めません。子どもが小さい頃から、家で会社の話が自然に出る。会社に連れていく。社員に紹介する。
つまり、子どもにとって会社が「遠い存在」ではなく、日常の延長になっている。老舗企業は自然と、子どもの親の仕事を見せる機会を設けています。だから会社の将来の話ができる。承継が“事件”になりにくい。
従業員承継がうまい会社は、任せる前から“任せている”
従業員承継でも構図は同じです。うまい会社は、経営者が会社のことを社員と話し合い、意見を採り入れ、権限を少しずつ渡しています。
後継者候補は「肩書きが変わってから苦労する」のではなく、肩書きが変わる前から「経営の当事者」に近づいている。だから承継後にブレない。
ただし現実は…「対話しよう」で止まる
ここが一番の落とし穴です。
対話は大事。誰でも分かっています。でも、当事者同士だとうまく対話ができません。
親子なら、感情が近すぎる。昔の親子関係が混ざる。言い方が刺さる。
従業員承継なら、雇用関係の遠慮が出る。「言ったら損するかも」が働く。
その結果、本音が出ない。話が浅い。結論だけ急ぐ。空気が悪くなる。
そして、最も多いのがこれです。“忙しいからまた今度”。これで数年が消えます。
だから必要なのは「対話の正論」ではなく「対話の場」
対話は根性では生まれません。場づくりが必要です。
承継対話支援士®のような第三者が入る意味は、答えを出すことではありません。
・「今日は結論を出さない」と最初に宣言して、安心をつくる
・論点の順番を整える(想い→不安→現実→次の一手)
・言いにくい質問を“場の質問”に変える(誰かを悪者にしない)
・沈黙を怖がらず待って、本音が出るまで支える
第三者がいるだけで、社長も後継者も「ちゃんと話せるモード」に入ります。ここが、承継が動き出す瞬間です。
最後に、経営者のあなたへ質問です
経営者に一つだけ質問です。
後継者と「会社の将来」を30分話す時間を、最後に取ったのはいつですか?
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