【マニラで気付いた。先代社長と違っていいんだ(No206)】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
久しぶりに日本を離れて、海外で活躍する中小企業を訪問して来ました。

今回は、フィリピンで活躍する中小企業3社にお話を伺うことができました。

マニラで気づいた。父の時代とぼくの時代は、違っていい。

先日、フィリピンの首都マニラを視察してきました。
初めてのマニラは、活気があり、人も街もとてもエネルギッシュ。特に印象に残ったのは、若い人たちの姿です。レストラン、ホテル、空港、どこへ行っても、20代の若者たちが、明るく、そして流ちょうな英語で、接客をしてくれました。

日本の地方に行くと、高齢の人が多くて、若者の姿は少ない…。それに比べて、マニラはまるで別世界でした。
そしてふと、「これが世界の現実か」と思いました。
勿論、日本は高齢者への医療が手厚いことから寿命が長いということは世界に誇れることです。
でも、若者の活力という面では、フィリピンのエネルギーはすごいですよ。
ビジネスマナーや、交通マナーはまだまだとてもいいとは言えません。
工場見学させていただいた駐在員のトップの方々が仰っていたのは、
「粘り強く指導していかないといけない。若くて豊富な労働力があるので、
この活力をいい方向に伸ばすのが自分たちの役割だ」と。

父親世代の時代は、モノをつくる時代

親の世代は、町工場の社長です。鉄やアルミを加工して、部品を作っています。
昔は大手企業からたくさん注文が来て、夜遅くまで機械を回し、社員全員で汗を流していました。
いわゆる「モノづくりの時代」です。
ひとつでも良いモノを作れば、自然と売れたし、頑張れば結果がついてきました。

でも、今はどうでしょう?
同じ製品でも、安く作る会社が海外にあります。日本の強みだった品質や丁寧さも、他の国がどんどん追いついてきています。

わたしの時代は、世界とつながる時代

マニラで見た若者たちは、スマホを片手に世界中とつながっていました。
彼らは工場で汗を流すのではなく、パソコンで仕事をしたり、カフェで英語を使って接客をしていたり、まるで「世界中の人と会話する力」を武器に働いています。

「これはすごいな」と思いました。

父が築いてくれた工場を大切にしながらも、ぼくの時代は“世界とつながること”を武器に、新しい仕事を生み出す時代なんじゃないか、そう感じました。

たとえば、フィリピンの若者と組んで、部品の販売後サポートを英語でやるとか、動画で製品の使い方を解説してもらうとか…。
製造業の中にも、サービスの価値を入れていけるはずです。

違っていて、いい

事業承継というと、「父のやり方をそのまま守ること」と思っている人が多いかもしれません。
でも、それだけでは会社は続かない時代です。
大切なのは、父の時代をリスペクトしつつ、自分の時代に合ったやり方に少しずつ変えていくこと。

マニラで、そんな考え方のヒントをもらいました。

父の時代と、ぼくの時代は違っていい。
むしろ違うからこそ、未来へと続くバトンになるんだと。

あなたの会社も、未来とつながってますか?

この記事を読んでくださった経営者の方、後継者の方に伝えたいことがあります。
「昔のやり方が悪いわけじゃない。でも、未来には未来のやり方がある」ということです。

息子さんや娘さん、あるいは若い社員が「こんなふうにやってみたい」と言ったとき、
「それじゃ無理だ」と言うのではなく、
「じゃあ、一緒に考えてみようか」と返してみてください。

そこから、きっと新しい未来が始まります。

承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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