こんにちは。志経営アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
6月16日に事業承継・引継ぎ補助金の第5次公募の結果が発表されましたね。
応募件数 交付決定件数(交付決定率)
Ⅰ.経営革新事業 309件 186件(60%)
Ⅱ.専門家活用事業 453件 275件(61%)
Ⅲ.廃業再チャレンジ事業 37件 17件(46%)
交付決定を受けられた皆さま、おめでとうございます。
話は変わりますが、6月15日(木)に神戸市内の中小企業経営者向けに事業承継・引継ぎ補助金のセミナーをしました。
事業承継・引継ぎ補助金は、事業再構築補助金やものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などと違って事業承継の際にしか利用できません。
よって、申請される方の件数も相当少ない補助金です。
M&Aを検討されている方で、話がある程度クロージングできそうな状態にならないと補助金を申請することができません。
前述した申請件数と交付決定件数を見ていただくと、Ⅱ.専門家活用事業が多いことがわかりますよね。
これは、M&Aを仲介してもらう際に支払う手数料の一部をこの補助金でカバーしたいという方が申請されているようです。
M&A仲介会社も手数料を多く支払って貰えるように、この補助金を案内し、活用しているようです。
逆説的に考えると、数十年に一度しかない事業承継のタイミングで設備を更新したりすることには利用できます。
後継者がいないとか、本業と関係が少ない事業、儲かっていない事業などをM&Aを通じて売ったり、買ったりする機会は年々増えています。
しかも、かなりの勢いで増えています。
わたしが銀行に入った30年ほど前は、経営者の年齢も40代・50代が多かったこともありますが、会社を売るとか、買うと言った話をすることはある種のタブーでした。
不用意に経営者に事業承継をの話をして、逆鱗に触れ、担当者をクビになった同僚を数多く見ました。
駆け出し銀行員だった頃は事業承継の話はしてはいけないことだと思いこんでいました。
でも、この10年位の間に事業承継とか、M&Aといった言葉が普通に使われています。
M&A仲介会社のCMが堂々と流れているのを観ると、隔世の感があります。
6月15日の事業承継・引継ぎ補助金セミナー参加された方は、現在、事業承継に取り組んでいる方、もしくは、近々取り組もうとされている方ばかりなので、真剣な表情で受講されていました。
セミナー後の質疑応答も30分近くに及びました。
参加された方の真剣さにお応えするために、こちらのテンションもかなり高くなりました。
使い勝手の悪い補助金とのイメージが強い事業承継・引継ぎ補助金ですが、M&Aなどを積極的に活用することで一から新規事業を始めるよりもスピードが圧倒的に早く新事業を始めることができると言われています。
異なる企業文化を持つ人材を短期間で自社の企業文化に染めることができるなら、M&Aが有利かもしれません。
しかし、企業文化の統合は簡単ではありません。
多くの会社が失敗していることも事実です。
時間はかかっても一から事業を立ち上げた場合はこの心配はありませんが、新市場への参入のタイミングを逸するとビジネスチャンスを失うリスクがあります。
Time is money. と考えるか、うさぎとカメの童話のように自分のペースで進めるか、この問いに正解はありません。
あなたならどうしますか?
近々、第6次の事業承継・引継ぎ補助金の公募が始まります。
個人的には、うまくこの補助金を活用される方が増えて欲しいと思います。
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