【筍掘りと後継者(No187)】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。

毎年ゴールデン・ウィークの頃に筍掘りをします。

筍って、毎年掘れるとは限らないってご存知ですか。

筍は、竹の地下茎なのです。

竹は5年目を過ぎた頃から1年毎に豊作(表年という)と、不作(裏年という)を繰り返すようになるそうです。

京都で筍が豊作の年は、奈良では不作になると言われています。

筍を掘りながら、こんなことを考えました。


筍は、地上に出る前に育っている。後継者育成と同じです。

私は、毎年、奈良の吉野で筍掘りを楽しんでいます。
ひと掘り、またひと掘り。地面からちょこっと顔を出した筍を見つけた時の嬉しさは、何度体験しても格別です。

でも、あの小さく見える筍、実は地上に出る前から地下でぐんぐん育っていることをご存じですか?
見えないところで根を張り、太くなり、準備を整えて、ようやく「今だ!」というタイミングで地上に顔を出すんです。

この姿、実は「事業承継」ととてもよく似ています。


見えないところで、後継者は育っている

会社を長く続けるためには、いずれ誰かが経営を引き継がなければなりません。
でも、多くの社長さんは「うちの息子(娘)・後継者はまだまだ頼りない」と感じています。
一方で、後継者の側は「そろそろ任せてほしいけど、そんなこと言えない…」とモヤモヤしています。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。
今、地上に出ている“後継者の姿”だけを見ていませんか?

実はその後継者、見えないところでしっかり成長しているかもしれません。
社内の仕組みを学び、社員と信頼関係を築き、経営の勉強もしている。
表面には出てこないけれど、地下の筍のように、着実に「継ぐ準備」をしているのです。


育てるのは「親竹」の役目

立派な筍を育てるには、太くて元気な親竹が必要です。
会社で言えば、それは今の経営者、つまりあなたです。

でも親竹も、いつかは役目を終えます。
大切なのは、親竹が元気なうちに「そろそろ顔を出していいよ」と、合図を送ってあげることです。

「そろそろ継いでみないか?」
その一言が、後継者にとっての“地表への第一歩”になります。
事業承継は、「継いでほしい」と伝えることから始まるのです。


筍を折らずに掘るには「コツ」がある

筍掘りにも、力任せではうまくいきません。
周りの土をゆっくりと掘り、根を切らないように気をつけながら、やさしく引き上げる。
それと同じように、後継者の自信を折らずに引き出すには、「任せ方」と「寄り添い方」に工夫が必要です。

最初は小さなプロジェクトを任せること。
「もし失敗しても大丈夫だよ」と安心させること。
困った時に相談できる環境をつくっておくこと。

そうすれば、筍のようにぐんぐん育ち、しっかり地上に顔を出してくれるはずです。


まとめ:地中の成長を信じる勇気を

筍は、見えないところで育っています。
会社の後継者もまた、目に見えない努力を重ねているものです。

見えないものを信じるには勇気がいります。
でも、勇気を持って「継いでほしい」と言えたとき、会社にも、新たな春が訪れるはずです。

さて、今日はもう一本、地中で育った筍を探してみようと思います。
あなたの会社にも、きっと“次の芽”が育っているはずです。

いかがでしたか。

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承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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