SDGsやCSV経営に関心がある関西の経営者にお読みいただきたいブログです。
志経営アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
2023年3月にSDGsアクションプラン2023~SDGs達成に向け、未来を切り拓く~が公表されました。
SDGsアクションプランとはSDGs 実施指針に基づき、2030 年までに目標を達成するために、「優先課題 8 分野」において政府が行う具体的な施策やその予算額を整理し、各事業の実施によるSDGsへの貢献を「見える化」することを目的として策定し、定期的に更新されています。
首相官邸が発表した今年のアクションプランのポイントは2点です。
(引用: 首相官邸 SDGsアクションプラン2023:概要 )
①「人への投資」、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を柱とする新しい資本主義の旗印の下、民間の力を活用した社会課題解決を図るとともに、多様性に富んだ包摂的な社会の実現、一極集中から多極化した社会を作り、地域を活性化する必要がある。
②政権の重要課題である上記の点をアクションプランの優先課題として記載するとともに、予算編成にも反映し、アクションプランを充実化。
SDGsアクションプラン2023の5つの重点事項への取り組みは以下の通りです。
People 人間:多様性ある包摂社会の実現とウィズ・コロナの下での取組
• 「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」等に基づき、あらゆる分野での女性の活躍を推進。
• 子供の貧困対策や持続可能な開発のための教育(ESD)を推進し、次世代の更なる取組を喚起するなど、人への投資を行う。
• 「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」等に基づき、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を一層推進。
• グローバルヘルス戦略に基づき、パンデミックを含む公衆衛生危機に対するPPR(予防・備え・対応)を強化。
• より強靭、より公平、より持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた取組推進。
Prosperity 繁栄:成長と分配の好循環
• 「デジタル田園都市国家構想」の実現を通じ、地域の個性を活かしながら、地方を活性化し、持続可能な経済社会の実現に取り組む。
• 国内外の社会課題解決やイノベーションを促すため、日本企業と海外スタートアップ等とのオープンイノベーションを推進。
• これまで進めてきた「SDGs未来都市」に加え、新たに複数の地方公共団体が連携して実施する脱炭素化やデジタル化に関する取組に対しても支援を行うことで、地方におけるSDGs達成に向けた取組を加速する。
• 「熊本水イニシアティブ」に基づき、気候変動適応策・緩和策を両立するハイブリッド技術を活用した「質の高いインフラ」整備の取組推進。
Planet 地球:地球の未来への貢献
• 経済・社会・産業の大変革である、GX推進のためのロードマップの検討を加速化。成長志向型カーボンプライシング、規制制度一体型の大胆な資金支援、トランジション・ファイナンス、アジア・ゼロエミッション共同体構想などの政策イニシアティブを具体化。
• 地域脱炭素の推進のための交付金等を通じ、2050年を待つことなく前倒しでカーボンニュートラル達成を実現する脱炭素先行地域を2030年度までに少なくとも100か所創出する。
• 食品ロス量を2030年までに489万トンまで低減することを目標に、持続可能な生産・消費を促進。
Peace 平和:普遍的価値の遵守
• TICADプロセスを通じ、アフリカにおけるSDGs各ゴールに関連する取組のモニタリングやフォローアップを実施。
• 子どもに対する暴力を撤廃するため、地方公共団体におけるいじめ問題等への対応を支援するとともに、グローバルな取組にも参画。
• 総合法律支援の充実や日本法令の外国語訳等により、国際取引の円滑化や外国人を含む全ての人の司法アクセスの確保を図る。
Partnership パートナーシップ:絆の力を呼び起こす
• 2023年の「SDGs実施指針」改定のプロセスも含め、SDGs推進円卓会議を中心に、国内外のあらゆる関係者との連携を促進・強化。また、SDGグローバル指標に関する情報を発信。
• ODAの一層の戦略的活用を図る観点から、2023年前半を目処に開発協力大綱を改定。
• SDGサミットや持続可能な開発のための国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)、日メコンSDGsフォーラム等の議論に積極的に貢献。
SDGsアクションプランでは重点8分野というものが定められています。
① あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
② 健康・長寿の達成
③ 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④ 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
⑤ 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
⑥ 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦ 平和と安全・安心社会の実現
⑧ SDGs実施推進の体制と手段
今回、8番目「SDGs実施推進の体制と手段」のひとつとして宣言の推進が記載されました。
パートナーシップ構築宣言は、事業者が、「発注者」側の立場から、取引先などと連携して、サプライチェーン全体での連携・共存共栄を目指して、「代表権のある者の名前」で宣言するものです。
サプライチェーン全体で対応が必要な課題が増えており、特にサステナビリティに関わる課題として、「災害時等の事業継続や働き方改革の取組」、「グリーン化への取組」、「健康経営に関する取組」などについても、宣言内容に盛り込むことが可能となっています。
SDGsの推進は、大手企業と取引がある場合はほぼ確実に対応を迫られると考えておくべきです。
折角、SDGsに取り組むのであれば、受け身ではなく、積極的にサプライチェーン全体のSDGs推進に貢献できることを訴求すべきだと思いませんか?
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