SDGs や CSV 経営に関心がある関西の経営者にお読みいただきたいブログです。
こんにちは、志経営アドバイザーで、ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
今年になってから新しく学び始めたことが幾つかあるのですが、その一つにStart SDGsさんが提供するプログラムのSXpro伴走型人材トレーニングというものがあります。
SDGsやCSV経営の導入をお手伝いするために、コンサルタントが学ぶべき様々なノウハウを学ぶ講座です。
その講座のなかで、SDGsやCSV経営の導入を志された企業の多くが悩むというか、分からなくなってしまうという声が多いのが、【バックキャスト】という考え方を理解することなのです。
そもそも【バックキャスト】とは何かというと、釣りをする時の光景を思い浮かべてください。
竿に針に餌を付けて川や海のポイントを目掛けて竿を振る時に、ポイントが近いところなら、仕掛けを体の前から投げますよね。
これを釣りの世界では、【フォアキャスト】といいます。
ポイントまでの距離が短いので、、比較的、容易にポイントまで仕掛けを投げ込むことができます。
SDGsやCSV経営の世界でフォアキャストという用語は、予測しやすい近未来の出来事を指します。
【フォアキャスト】の反対の意味を持つ用語が【バックキャスト】です。
バックキャストという言葉の本来の意味合いは、釣りをする時に仕掛けを遠くまで投げるために、竿を大きく振りかぶることです。
SDGsやCSVの世界で【バックキャスト】という言葉が持つ意味合いは、【未来の目標、言い換えると、ありたい姿】のことです。
新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの産業が過去の成功パターンが通用しない環境に追い込まれました。
飲食関係やホテル・旅館などの観光産業の多くが、企業業績に甚大な影響を受けました。
そんな半年先の状況も見通せないVUCAの時代、過去の実績を根拠にした業績予想はほとんど役に立たないのではないでしょうか?
先が見通せない時代に企業経営者はどのようにして会社や従業員を導いていけばいいのでしょうか。
世界でも、日本でもしっかりと業容拡大に成功している企業が数多くあります。
その企業の共通点を探してみると、興味深いことがわかりました。
その共通点は、
①企業や事業の存在意義=パーパス(企業の存在意義、日本語では【志】がしっくりくると思います)を確立していること、
②30年先、50年先といった長期の目標(【ありたい姿】)を明確にしていること、なのです。
【バックキャスト】の重要性が分かるエピソードは数多くあります。
古くは、1960年代にケネディー大統領が当時のソビエト連邦に遅れをとっていた月面への有人飛行を10年以内に実現すると宣言し、実現したこと。
最近では、メジャーリーグのエンジェルスで2刀流で大活躍している大谷翔平さんの軌跡が挙げられます。
大谷選手は、中学時代に2刀流で大リーグで活躍することを目標にしていたそうです。
高校卒業後に大リーグにいくためには、高校野球で甲子園で優勝し、大リーグのスカウトに注目される必要があると考えたそうです。
そのために、野球の技術をどのように磨くかということ、加えて、大リーガーとしての人格を磨くことを目標に据えたそうです。
掃除など人が面倒に感じることも積極的に取り組むと決め、日々実践してきたそうです。
高校時代に野球部の監督から、曼荼羅チャートを教わり、目標をそれぞれ9つのステップに細分化し、合計81のステップに分解しました。
結果的に、普通に考えれば手が届かないような目標を実現するために、将来の目標(ありたい姿)から出発して、いつまでに何をすればよいかを逆算する思考を身につけることができたそうです。
プロスケーターの羽生結弦さんも、子どもの頃からオリンピックの金メダリストになることを目標にしていたそうです。
出場したいオリンピックの年から選考会で選ばれるために、いつまでにどのような実績を挙げる必要があり、そのためにはどのような技を身につける必要があるのかを明確に意識していたそうです。
だからこそ、ストイックなまでに練習に励んでいたそうです。
周囲はどのように思っていたのかはわかりませんが、羽生さんの中ではありたい姿に向かってバックキャストしていたのです。
このように【バックキャスト】という手法は目新しいものではありません。
30年後や50年後にどのようなありたい姿になっていたいかという高い志(パーパス)を掲げ、その志を実現するために逆算して、いつまでに何をするかといったロードマップをゴールから現在に逆算しながら完成させる必要があります。
目指すべきゴール(ありたい姿)が高ければ高いほど、その姿に近づこうと悪戦苦闘しているうちにいつの間にか、ものすごい高みにたどり着いているかもしれません。
多くの人が目指す目標よりも高い目標を目指せば、仮に挫折した倍でも、周囲(ライバル企業)よりも高いところまでたどり着いているのかもしれません。
ジリリータジャパンは、関西の中小企業を働きたくなる職場に変えていくことです。
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