志経営アドバイザーで、株式会社ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
先週、神戸で『SDGsで経営がどのように変わるのか』というセミナーをしました。
今回のセミナーは、SDGsの導入を検討されているとある法人の職員の方に行いました。
セミナーでは、最初にSDGsが生まれた経緯を説明しました。
1920年代の社会的責任投資(SRI)にはじまり、1990年代後半から始まった企業の社会的責任(CSR)、CSRを推進する投資家のあり方であるESG。
2011年頃から社会課題と経済活動を両立させる共通価値の創造(CSV)という考え方が提唱され、2015年に国連で持続的な開発目標(SDGs)が採択されたという歴史的な推移を説明しました。
企業の社会的責任投資であるCSRは、企業が寄付をしたり、ボランティア活動を行うイメージです。
別の言い方をすると、CSRは本業で社会課題を解決するものではありません。
あくまでも企業の善意に依存しています。
企業の業績が悪くなると、寄付する額が減ったり、ゼロになる可能性が高いんですね。
それに対して、CSVとSDGsは、本業で社会課題を解決することを目指します。
CSVやSDGsは企業の本業に関する活動ですので、企業にとってもやればやるだけ儲かる可能性があるのです。
受講者の方に「CSR」「ESG」「SDGs」の違いを説明できるようになりましょうとお伝えしました。
この違いを説明できるようになると、何となくSDGsに詳しい人だと思ってもらえるんですよ。
わたし自身もそうでしたが、似たような英語の略語がたくさん出てくるので、頭の中がこんがらがるんですよね。
なので、略語だけでなく、時系列の流れで憶えるといいかもしれませんよ。
次に、SDGsの3つのキーワードをお伝えしました。
そのキーワードは以下の言葉です。
- 地球規模
- 誰一人置き去りにしない
- バックキャスト
特にⅢ.バックキャストという考え方はSDGsやCSV経営を目指す上でとても大切な考え方になります。
SDGsやCSVは、本業で社会課題を解決することで、持続可能な経済や社会を創っていこうとするものです。
サステナビリティと呼ばれる考え方です。
社会課題といわれたら、どのようなことをイメージされますか?
温暖化対策?
少子高齢化?
貧困問題?
いろいろとイメージされたのではないでしょうか。
一般的に社会課題を解決するということは、難しく、簡単に利益をあげることができないと言われています。
簡単に解決できないからこそ、問題として残っているんですね。
SDGsは2030年までに達成すればいいので、慌てて何かする必要はないと考えている経営者は大勢いらっしゃいます。
今回のセミナーでお伝えしたかったことの一つは、サステナビリティの対応は待ったなしの状況にある、ということなんです。
実は、今年の3月決算から、上場企業に有価証券報告書にサステナビリティに関する記述が義務化されているんです。
大企業は、子会社だけでなく、仕入先や販売先を含めたバリューチェーン全体でSDGsの達成に向けてどのような取り組みをしているかを開示する義務があるのです。
大企業と取引がある中小企業は、大企業からサステナビリティへの取り組み状況に関する『アンケートやヒアリング』に答えるように求められます。
直ぐにではないかもしれませんが、サステナビリティに関して大企業の取り組みに貢献できないと判断されると、最悪の場合、取引が打ち切られるかもしれません。
大企業にとっても、SDGsの目標達成などのサステナビリティへの対応は待ったなしの状況です。
先代からのつき合いとか、長い付き合いだからといった理由で上場企業と取引をしている中小企業は、取引先の上場企業のサステナビリティへの取り組みに貢献できるような行動を始める必要があります。
この危機感を理解してもらいたかったんです。
中小企業にとっては、サステナビリティへの対応をきちんと行えば、上場企業などから指名で仕事が来るかもしれませんよ。
売上を倍増することだって、夢ではないですよ。
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