事業再構築を補助金の代行で検討している経営者向けのブログです。
こんにちは、ジリリータジャパン代表の鹿島です。
今回は、PMI(Post Merger Integration:M&Aで企業や事業を買い取った後から一定期間(1年程度)以内に行う経営統合のための作業)について令和4年3月に中小企業庁が発表した「中小PMIガイドライン」をご紹介します ( https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/pmi_guideline.pdf )。
・現在の事業がうまくいかなくなってきたので、事業再構築を検討している
・事業承継を検討している、または、これから検討する
上記のどちらかに当てはまるか、あるいは、両方とも同時に進めたいと考えている経営者は多いと思います。
2025年には団塊世代の経営者が75歳以上となることから、「事業承継」が待ったなしの状況にあります。
実際、ここ数年、事業の承継をする後継者がいないということもあり、M&Aで会社や事業を売却するという選択をする経営者が増えています。
M&Aの売り手と買い手を結びつける仲介者は、上場している大手3社の存在が大きかったのですが、公的な支援機関である「事業承継・引継ぎ支援センター」を活用する機会が増えています。
上場している大手3社の仲介件数は、2013年度:182件→2020年度:760件と8年間で約4倍となっています。
一方、事業承継・引継ぎセンターの仲介件数は、2013年度:33件→2020年度:1379件と同期間で40倍超となっています。
私も前職の銀行員時代に幾つかM&Aを支援したことがあります。
20年ほど前の時代なら、M&Aという言葉や事業承継といった話をするだけでも不快な顔をする経営者が少なくありませんでした。
とある経営者が後継者不在で、会社を売却するという話を銀行に相談に来られる際に、素面(しらふ)ではとても話せないと、一杯ひっかけから来店された経営者もいました。
今は、事業承継やM&Aという言葉が普通に使われるようになったり、テレビCMも流れるような時代なので、経営者の抵抗感は減ってきているとは思いますが、我が子のような会社の行く末を決めるという点では大きな決断であることには変わりありません。
また、やっとの思いでM&Aで買収が成立しても、多くのケースでは期待した効果を上げられていないことが多いようです。
買収前に調査や経営者にヒアリングを重ねても、発見できない問題は必ず出てきます。
よくあるのは、業務が属人化しているので他の人が代わりにできない(させない)とか、業務に関する規定や帳票類が存在しなかったり、実態とかけ離れているといったことです。
M&Aの交渉は極秘に進める性質のものであるため、経営者とごく一部の役員や社員で対応します。
M&Aの対応に慣れた経営者や役員はほぼいません。
悪意ではなくとも、書類の提出漏れなどはあることが普通です。
こうしたトラブルを未然に防ぐために「中小PMIガイドライン」を活用されることをお奨めします。
私も公的な機関で事業承継のアドバイスをしていますが、必ず手許に置いています。
M&AはPMIができるかどうかで、成功するかどうか決まりますね。