承継対話支援士®️の鹿島です。
承継対話支援士®️とは、対話を通じて、経営者と後継者の思いを一致させ、事業承継が成功するように支援する専門家です。
9月はセミナーや研修に加えて、事業承継の出張相談会もありましたよ。
相談会は事業承継の相談会と謳っていますが、経営に関する様々な相談に来られます。
一番多いのは何だと思いますか?
それは、愚痴です。
経営相談ちゃうやん! とツッコミたくなりますが、愚痴を聞いて欲しいというニーズはとても多いんです。
最初に相談者の愚痴というか、言いたいことを話してスッキリしてもらうと、打ち解けて、本当のお悩みを聞くことができるのです。
事業承継って、相談会をやりますよって声をかけても、なかなか参加してくれない経営者も多いんです。
会社の恥を知られたくない、といった声をよく聞きます。
事業承継が難しい理由は、『重要だけど、今日やらなくてもいい』からなんです。
皆さん、例えば、明日までの提出しなければならない重要会議の資料を作成していなければならないとしたらどうしますか?
他の仕事を差し置いてでも、会議用資料の作成をしませんか?
理由は簡単ですよね。
重要な会議の資料作成は、『重要であり、且つ、急ぎだから』です。
なかなか事業承継が進んでいない企業の経営者に少しでも事業承継に早く取り組まねば、と感じてもらえるかが相談会の成否を分けると思っています。
後継者がいないとか、継いで欲しい言えないとか、いろいろとお悩みはあります。
僕自身、自分の事業承継だとうまく思いを伝えられるのかと尋ねられると自信はありません。
でも、他人の事業承継だとスムーズに支援ができる。
自分のことだと、思いが強すぎて客観視できないのかもしれませんね。
不思議です。
だから、僕の事業承継は、将来、別の支援者の力を借りることになるのだと思います。
先日の相談会に来られた経営者のお悩みは、娘と息子が会社にいるが、どのように承継すればいいかわからないということでした。
娘さんは大学卒業後から家業を手伝ってくれているし、同居していることもあり、将来何とか報いてあげたい。
一方の息子さんは娘に比べて仕事への意欲は低いそうです。
また、息子さんの奥さんも会社で事務をしているという家族経営の会社です。
後継者を決められずにいると悩んでいる社長に、「なぜ、後継者を決めなんですか」と尋ねてみました。
すると、姉弟の仲が良くないので、どちらかを社長にすると、うまくいかなくなるのではと心配しているということでした。
思い悩んでいるうちに社長は70代半ばになってしまったということです。
娘さんも息子さんも来ていなかったので、仲がよくないというレベルが分かりません。
この段階で何か特効薬的なアドバイスはできませんが、一つだけはっきりしていることは、娘さんと息子さんを交えて会社の将来についてどうしていきたいかを話し合った方がよいということです。
親子だけで話が難しいのであれば、金融機関に立ち会ってもらうか、僕のような専門家を交えて話す機会を設けるように助言しました。
話し合うだけなら専門家や金融機関などの第三者を交える必要はないという意見もあります。
もちろん、当事者同士で話し合いができるなら専門家を交える必要はないかもしれません。
15年以上事業承継に関わって感じることは、当事者だけでうまく話し合いができるのは1割もないと思います。
金融機関の職員でも、話し合いの場に立ち会うことを躊躇する人が多いということも問題を複雑化させている原因かもしれません。
そんな時に思うんです。経営者と後継者の間に入って、対話を促せる専門家がもっといてくれればなぁと。
こうした思いから、11月から承継対話支援士®️養成講座の0期を始めます。
事業承継の支援は、専門知識よりも対話を促すことの方がはるかに大切だと感じています。
興味のある方は9/13(金)に収録した動画をお送りします。
件名に【 動画視聴希望 】と記載いただき、下記までメールをお送りくださいね。
送信先: contact@jiririta-japan.com
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