【事業承継計画書は“未来のトリセツ”だ(No215)】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
最近、インフルエンザが流行していますね。
職場でも学校でも体調を崩している人が多いので、体調管理には気をつけましょうね。

事業承継計画書は“未来のトリセツ”だ

──13次補助金で加点、会社の未来も加点──

「事業承継って、まだうちには早いよ」
「後継者とは毎日顔を合わせているし、話さなくても分かるだろう」
多くの経営者がそう感じています。しかし実際には、会社の未来について親子や後継者と話し合えている企業は、とても少ないのが現実です。

そこで役に立つのが、事業承継計画書です。
これは、単なる提出書類ではありません。会社の未来を言葉にして整理し、「どんな会社をつくりたいか」を話すための“未来のトリセツ(取扱説明書)”です。

さらに、2025年11月28日まで募集中の13次事業承継・M&A補助金では、事業承継計画書の作成が加点項目に追加されましたよ。補助金採択に有利になるだけでなく、会社の未来づくりにも役立つ一石二鳥の取り組みです。


1. 計画書づくりが「対話のスイッチ」になる

事業承継計画書をつくると、経営者と後継者の会話を増やすきっかけになります。

たとえば、次の3つの質問に答えるだけで、会社の未来の議論が広がります。

(1) 会社の20年後はどうなっていたい?

・事業の姿
・地域の中での役割
・社員の働き方
経営者の価値観が言語化され、後継者の理解が深まります。

(2) 経営課題の優先順位は?

“攻め”と“守り”の視点を整理すると、後継者も経営の感覚をつかみやすくなります。

(3) その未来の数字をどうつくる?(=管理会計)

利益を出す会社の経営者は数字に強いです。後継者にも「数字で語れる」経営を目指して欲しいです。


2. 生産性向上と値上げ交渉は、管理会計がないと始まらない

政府・国は中小企業に生産性向上と賃上げを強く求めています。
しかし、生産性を上げるには “値上げしたくても説明できない” という壁があります。

そこで必要なのが、管理会計です。

管理会計を入れると、

  • どの仕事が儲かっているか

  • どの部門の負担が重いか

  • どの取引先の粗利が低すぎるか

が見えるようになります。

つまり、値上げの「根拠」が生まれるのです。

たとえば、
「この商品は原価が◯%上がっていますが、販売単価は△円のままです。○%の値上げをお願いしたいです。」
と、数字で交渉できるようになります。

事業承継計画書を作成し、経営課題をあぶり出す中で、価格交渉が大きな経営課題であれば、誰が・いつまでに交渉にいくかを決めることができます。その事前準備として管理会計を後継者中心に導入していくことで、経営者と後継者の“対話ツール”にもなります。


3. 事業承継計画書づくりは、未来づくりそのもの

事業承継計画書をつくると、次のような変化が起こります。

・親子の会話が増える
・社員にも将来の方向性が伝わる
・金融機関からの信頼が上がる
・補助金(13次)でも加点される
・値上げ交渉の準備が整う
・生産性向上の道筋が見える

つまり、計画書を書くだけで、会社そのものが強くなるのです。

承継は「守る」だけの作業ではありません。
未来に向けて会社をアップデートするチャンスです。


まとめ

事業承継計画書は、“未来のトリセツ”。
作成するだけで、経営者と後継者が未来の話を始められます。

そして今回の補助金の加点にもなる。
管理会計で「数字の対話」が生まれ、値上げ交渉も有利になる。

今こそ、事業承継計画書をつくる絶好のタイミングです。
あなたの会社の未来に、もう一つ“加点”をつけてみませんか。

承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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