このブログは、関西の中小企業の経営者にお読みいただきたいブログです。
こんにちは。志経営アドバイザーで、ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
ジリリータジャパンでは、資金調達やSDGsやCSV経営の導入に加え、質問を使った問活(トイカツ)をご提供しています。
この他にも独立行政法人の事業承継の専門家として支援機関と呼ばれる金融機関や商工会議所・商工会の職員の皆さまに研修やセミナーも行っています。
先日もある商工会議所の相談員の皆さんに事業承継の研修をする機会をいただきました。
実際に現場で中小企業の経営者の皆さんの経営相談にのっておられる方々が受講されるので、複数の事例を交えた実践的な研修となりました。
このブログをお読みいただいているあなたは、【事業承継】という言葉を聞いたときにどのようなことは思い浮かびますか?
よくわからない?
難しい?
面倒くさい?大変そう?
将来やればいいので、今はやりたくない?
いろいろな印象をお持ちになったのではないでしょうか。
ご安心ください。あなたが思い浮かばれた印象は多くの皆さんがもたれるものなのです。
今回の研修でご紹介した事例の一部をご紹介します。
事例Ⅰ.高齢の経営者が権限や株式を後継者に渡さない
実務の世界では現在の経営者、特に創業者が多いです。
会社がご自分の体の一部に感じておられることもあり、生涯現役にこだわる経営者は結構多いのではないかと思います。
もちろん、生涯現役という考え方を否定するつもりはありません。
でも、経営者といえども人間です。
いつまでも元気に働い続けることはできませんよね。
あなたの大事な想いを実現させた会社ですから、できれば、長く続いて欲しいですよね。
そのために必要なことの一つが事業承継なのです。
私は、前職の銀行員時代に10年以上、事業承継に関するご支援をしてきました。
最初の頃は話しをなかなか聞いてもらえませんでしたが、経営者の年齢が50代から60代に上がっていくタイミングだったこともあり、徐々に話しを聞いてもらえるようになりました。
事業承継の話しは、経営者にとって【事業承継は重要だが、今日明日やらなくてもいいこと】になりやすいんです。
事業承継はある意味で、今の経営者の首に鈴をつけるようなセンシティブな行為です。
一歩間違えると、経営者の逆鱗に触れてしまい、二度と事業承継の話しをすることができなくなります。
仕事柄いろいろな地元金融機関に伺うことが多いのですが、多くの金融機関の方がおっしゃることは、「事業承継の話しをすることが怖いと考えている職員が多い」ということです。
事業承継は、経営者や会社側にとっても、アドバイスをする支援機関側にとっても取り扱いが難しいものです。
わたしも何度も事業承継の話しをしたことで経営者に叱られたことがありました。
その一方で、経営者は孤独な存在でもあるので、事業承継のような重要な問題について話しを聞いて欲しい、という気持ちもあるのです。
経営者がこの人になら話しをしてもいいと感じてくれるようになるまでには、それなりに時間もかかります。
誰にも彼にも事業承継や資産の話しをすることはありませんので、一度話しを聞くことができると、経営者との心理的な距離がグッと縮まります。
経営者の家族や従業員が会社の将来について感じていることなどを経営者に伝えることができるのが、支援機関なのです。
解決策は特にウルトラCのようなものはありません。
上記の事例の場合でしたら、高齢の経営者が、会社の重要な物事の決定権がなくなることを心配しているのなら、普通株式は過半数を後継者に譲る一方、経営者に黄金株という否決権がついた特別な株式を発行することを提案することも有効です。
株式を持っていたいという希望が高齢の経営者にあるなら、普通株は後継者に渡し、議決権のない特別な株式を発行することで解決できるかもしれません。
解決策はいくつもありますので、経営者がどこに不安を感じているのかをじっくりと聞き出すことができるかどうかです。
研修でもお話したのですが、事業承継は廃業する企業を減らし、地域の雇用を守るために必要不可欠なものなのです。
だからこそ、事業承継に苦手意識をもっている支援機関の皆さんの力になることができれば、微力ながら、未来の雇用に確保に貢献できると考えています。
これからも継続的に事業承継を広めていきたいと考えています。
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