対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。
11月になりましたね。紅葉も少しずつ色づき始めましたね。
🍁紅葉の季節に、次の炎を灯そう
――変化を恐れない承継の心構え
はじめに:紅葉のように、会社も色を変える
11月。街路樹が赤や黄色に染まり、やがて静かに葉を落とす季節です。
でも、それは「終わり」ではありません。葉を落とすのは、次の春に新しい芽を出すための準備です。
会社も同じです。経営者が代わり、事業が少しずつ姿を変えるとき、それを「衰退」と感じる人もいます。
しかし本当は、それは次の時代に向けて“新しい色”を出す過程です。
事業承継は、まさにこの「色づきの変化」を受け入れる瞬間。
そして、変化を恐れずに前へ進める経営者と後継者の“対話”こそ、会社を未来につなぐ力になります。
100年企業が教えてくれる「変化の力」
帝国データバンク(TDB)が行った「100年経営企業アンケート調査」によると、
100年以上続く企業が存続できた理由の第1位は「取引先・顧客との信頼関係(73.8%)」、
第2位は「時代に合わせた事業内容・構成の変化(64.4%)」という結果でした。
つまり、長く続く会社ほど「変化を恐れず、時代とともに進化してきた」ことがわかります。
“守るべき信頼”を大切にしながら“ 変える勇気”を持ち続けてきたのです。
事業承継も同じ。
「今のやり方を守ること」だけが正解ではなく、
「時代に合わせて形を変えること」が会社を生かし続けるポイントなのです。
経営者と後継者が実践できる3つのステップ
① 会社の「今の色」と「これからの色」を語り合う
まず、親子・師弟・社員の間で、
「うちの会社らしさって何だろう?」
「これからどんな色に染めていきたい?」
と話してみてください。
過去を否定せずに、未来の色を一緒に想像することから“対話の承継”は始まります。
② 小さな変化を、一緒に始める
例えばこの秋、紅葉を見ながら「20年後の会社」を語る時間を取ってみるのも良いでしょう。
形式的な会議ではなく、自然の中で語るほうが、本音が出やすくなります。
「承継の話=重たい話」という空気を変える工夫が、次の一歩を生みます。
③ 支援者は “場” をつくる
税理士、金融機関職員、経営指導員など支援者の役割は、
知識を伝えること以上に、「対話が生まれる場」をつくることです。
たとえば、承継前に家族会議を企画したり、
後継者同士の交流会を開いたり――。
「話せる空気」を整えることが、最も難しく、最も価値のある支援です。
結び:紅葉が散っても、新しい芽は必ず育つ
秋の紅葉は、燃えるように美しく散ります。
でも、それは“終わりの炎”ではなく“ 次の命に火を分ける炎”です。
経営者が引退するとき、それは燃え尽きる瞬間ではなく、
次の世代に灯りを渡す瞬間です。
会社の色は、時代とともに変わります。
その変化を恐れず、対話を重ねながら“次の色”を共に描いていく――
それが、100年企業に共通する知恵であり、
紅葉が教えてくれる「続く会社の美学」です。
紅葉が散ったあとに、新しい芽が必ず育つように。
あなたの会社もまた、次の季節に向けて、静かに力を蓄えています。
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