【老舗ほどサステナブル経営への意識が高いって本当?(No192)】

対話のチカラで事業承継を支援する『承継対話支援士®』の鹿島です。

帝国データバンクが老舗企業に今後の取り組みについて聞いたところ、「SDGs、サステナビリティ経営への取り組み」との回答が上から2番目の32.7%もあったのです。

この結果を見た時に、僕は正直、びっくりしました。

老舗企業は、何となく、昔からずっと同じ事業をやっているように思うかもしれませんが、多くの老舗企業は、時代とともに事業内容を変化させることで、生き残ってきているのです。

老舗企業の経営者は、これから対応を迫られると思われるSDGs、サステナブル経営への対応を確りと意識しているんですね。流石だと思いました。

『社長、そのままだと取引切られますよ?』

~脱炭素を放置した企業のリアルと、後継者が育つ会社の秘密~

「最近、大手の取引先から“CO₂の排出量を教えてください”って言われたんやけど、よう分からん…」

これは、ある中小企業の社長のひとことです。よく話を聞くと、その取引先はヨーロッパへ輸出している大手企業。実は今、「CBAM(シーバム)」というヨーロッパの新しいルールが始まり、環境への取り組みが“ない会社”とは、取引を減らしたり打ち切る流れが出てきているのです。


■脱炭素は“未来を守る”だけでなく“今のコスト削減”にもつながる!

「脱炭素」や「サステナブル経営」というと、「立派な理念だけど、うちみたいな町工場には無理だよ」と思われがちです。
でも、実はそうじゃありません。

中小企業を対象に行われた調査では、脱炭素に取り組む理由として最も多かったのは、「光熱費・燃料費の削減」でした。しかもすべての業種で7割以上の企業がこれを理由に挙げているのです。

つまりこれは、「未来のための投資」ではなく、「今すぐ効果が出る経営改善策」なんです。


■ “会社の評価”を上げたいなら、脱炭素はチャンス!

さらにこの調査では、「企業としての評価や知名度の維持・向上」を理由に挙げた企業も多数ありました。
とくに、建設業・製造業・卸売業では3割以上がこれを理由に挙げています。

たとえばホームページで「環境配慮に取り組んでいます」と書くだけでも、求人応募数が増えたり、新規取引先から声がかかったりする時代です。

最初は、なんちゃってでも構いません。完全に準備ができてから取り掛かりたいというお声も聞きますが、きっと、いつまで経ってもやらない言い訳かもしれません。

先ずは、やってみる。やってみて初めて難しさや、効果を実感できます。

やっているうちに本物の取り組みになっていくと思いますよ。なんちゃっての取り組みしかしていない企業には、人は集まりませんし、定着も難しいと思います。SDGsやサステナブルに敏感なZ世代が社会の中心になっていく時代が既に来ています。

彼らを受け入れるのか、避けるのかで、企業に将来は変わってきますよ。

こうした情報発信は、若い後継者が得意な分野
「SNSで脱炭素への取り組みを紹介する」「SDGsをテーマに会社案内をつくり直す」など、若手が中心になって会社のイメージアップをリードできるのです。


■若手が動けば、社員も動き出す

ある町工場では、30代の息子さんが中心となって脱炭素プロジェクトを始めました。
電気の使い方を見直したり、ムダな資材の注文を減らす取り組みを社員と一緒に実施。
その結果、電気代は2割減、材料ロスも大幅に削減。

「若社長、なかなかやるじゃん!」
そんな声が現場から上がり、自然と社内の雰囲気もよくなっていきました。

これは単なるエコ活動ではありません。若いリーダーを育て、社員と会社をつなぐ事業承継の実践そのものなのです。


■まとめ:「今」だから、動く意味がある

  • 脱炭素は、実は「光熱費削減」など経営効果が高い

  • 評判・信頼・求人・新規取引にも良い影響

  • 後継者がリーダーになれる絶好のテーマ

  • 社員のモチベーションも高まり、組織が一体に

後継者にとって、脱炭素は経営の腕試しができる貴重なフィールドです。
まずは、今日できることから一歩。
「コピー機の設定を両面印刷にしてみる」
「電気の消し忘れをなくすチェック表を作る」
そんな小さな改善でも、立派な“脱炭素経営”です。


脱炭素経営は、未来のための遠い話ではなく、 “今この瞬間から始められる、後継者育成のツール”です。

 

承継対話支援士 鹿島清人

承継対話支援士 鹿島清人

ジリリータジャパン代表の鹿島清人です。
後継ぎがイキイキと活躍している会社を増やしたいと思い、創業しました。
後継ぎが経営者になるための支援を通じて、「任せられる後継ぎ」を育て、20年続く、次の代まで続く事業と組織を創る支援を得意としています。

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